21日発売「特選小説8月号」

21日発売の「特選小説8月号」に、
短編『極彩の女神』を寄稿しています。

閉鎖を目前にしたストリップ劇場の、
トップの踊り子とアナウンス係の物語。

ずっと書いてみたかったお話です。


かつて埼玉にSHOW-UP大宮というストリップ劇場がありまして、
その劇場が35年の歴史に幕を閉じるとき、
一ヶ月間の幕引き公演を行いました。

全国から人気の踊り子さんを集め、同時に
ドラァグクィーンや漫才師による幕間のショーも復活させました。

そこに私もシンガーとして呼んでいただきました。
3日間、1日5香盤のステージのうち、3回の幕間を担当して、
それぞれ15分間の弾き語り。

作品内に書いてある、楽屋の様子はそのままです。
踊り子さんが私の楽屋にお菓子を差し入れてくださって、
そのときに、扇風機が壊れているのを見て、
すぐに「私たちの楽屋にはふたつあるから」と、
ご自分たちの扇風機を持ってきてくださったことなど、
幾つかのエピソードも元にして書いています。

ほかにも、リハーサルのときに、PAが歌用ではないので、
マイクにリップノイズが出てしまい、
「風防(マイクに被せる雑音よけ)ありますか? 
あ、なかったらけっこうです」という私のひと言で、
お昼休みをなくして大宮中の楽器店を走り回り、
風防を購入して、でも大きめのものしかなかったので、
私のマイクのサイズに合わせて、切って作ってくださった音響さん、
客席でどうしても遠慮がちになってしまい、
うまく写真を撮れなくて私に文句を言われていた事務所の
撮影スタッフに、劇場の半被を貸してくださったスタッフさん、
皆さん全員が、熱い思い出をくださいました。

看板の私の写真を見て入ってくださったおじさんが、
「なんでこの子が脱がないんだ、看板に偽りありだ!」と、
受付で怒ってしまったりなど、思いがけないトラブルも幾つかあり、
そんなときこそ、プロの仕事を見せていただく三日間でもありました。

当時、お世話になった皆さんと、
ひとつひとつの思い出に、心から感謝です。
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