「なぜ」ってなぜ

埼玉の誘拐されていた少女の事件、
無事に逃げられて、本当に良かった。

ただ、今日の時点でのニュースでは、
――なぜ少女は逃げなかったのか。
――専門家は『物理的に脱出を困難にしていた可能性がある』と指摘した。
――付近の○○会社の社員は、『何か大きな声を出せない理由があったのかもしれません』。

中途半端な「なぜ」が、加害者に与する空気をつくってしまう気がするんだけどな。
じゃあ物理的な理由がないとしたら、
少女がいままで逃げられなかった理由はどう解釈されるのだろう。

物理的な問題だけではない事象ほど、被害者は被害者である理由を見失い、ときには自ら捨ててしまうこともある。
ニュースはそれこそ物理的な情報だけ与えてくれればいい。
受け取る側としても、自分たちがどれほど物理的な力を持っているのかを、常に心得ていたいと思う。

二年の歳月を越えて、自ら逃げた少女の力を、いまはただ尊敬する。

睦月先生の個展とパーティ

先週は睦月影郎先生の「睦月影郎500作品の軌跡展」と、
出版500冊突破記念パーティへ。

ひとりの人間の成し遂げる膨大な仕事の量と熱量、
作品の緻密さと迫力に圧倒されます。

個展は元麻布ギャラリーで、3月30日まで開催中。
お時間のある方はぜひお立ち寄りください。

3月27日『橋本マナミの夜サンポ』出演

3月27日(日)、『橋本マナミの夜サンポ』
(BSフジ 26:00〜)に出演します。

MCは橋本マナミさん、
ダイアナ・エクストラバガンザさん(女装家)、
佳苗るかさん(セクシー女優)、
とても個性豊かで素敵な方々。
私は官能小説の書き方について講座させていただいております。

気づけばもう3月も下旬。
マンションの工事も終わって、今度は静かすぎるのが
なんだか物足りない。

今日はふくらむ

先日、スマホを見ながら自転車を運転している若者と、
おじいさんの自転車の衝突事故に遭遇。
転んだおじいさんに駆け寄ったものの、幸いお怪我はないようで、
若者に「スマホ見ながら運転してんじゃねー、バカヤロー!」。
若者のほうは自転車から下りもせず、いかにも鈍い様子で
「あ、ども、すいません」と、そのままピュー。

あ〜ムカムカ、あの若者に災いあれ。
と、呪った数日後、
今度は私がスマホで地図を見ながら渋谷を歩いていて、
看板にぶつかりそうになりました。
看板だったからよかったものの、ぶつかりそうになる前は、
たぶん周囲の人が私を避けてくれていたのだと思います。
相手が咄嗟に身動きの取れない老人や子供だったら、と思うとゾッ。

自戒をこめつつ、スマホの視野狭窄パワーにはくれぐれもご注意を。

今日は締切り翌日の撮影仕事を終えて、幾重もの飢餓状態。
ずっと途中で我慢していたウェブ漫画を日本酒片手に拝読しています。
「M男の性癖や、AV、風俗を題材にしたショート漫画」。
ゲスくって切なくって愛おしい。

http://mkstyle.web.fc2.com

相談女、注進男

「相談女」というのは、どこの世界にもいるもので、
その周りでは「注進男」たちがせっせと餌を与えています。

ある男性Aさん「実は○○が気にしてたよ。『うかみさんが私のこと、悪く言ってるみたいなんです』って」
私「(またですか)それ、ソースなんですか」
Aさん「ソース? いや彼女が、『どこそこで、どうこうな感じで言われてるみたいなんです』って言ってたけど。周りは信じてたけど、俺はうかみを信じてるよ。彼女には気をつけたほうがいいよ」
私「で、『これこれどうこう』って言われてたんですよね。私もほかから聞いたことあります。それって、Aさんがどこそこでおっしゃっていたことですし」
Aさん「え、あ……あ?」
私「失礼ながら、もう終了させてください」

というようなことがかつてあり、脇が甘いとネタをもらえます。
自分のついたウソに自分が騙されていいのはひと回りまで。
二回目以降を彫刻を削るように美しく行えるのなら、その方々を悪く言うくらいに意識してさしあげるのもやぶさかではないので、とりあえずは餌をついばみ合う愛好家さんたちだけで楽しんでいただきたいです。

○○さんの相談女ぶりも最初は好きだったんだけどなぁ。
私は自分でちゃんと悩んで足掻く人間の愚かさが好き。
自分を諦めている己も見極められず、他者を利用する人の醜さは嫌い。

悪質ではありますが

先日伺った、70代の某作家さんの「オレオレ詐欺」話。

詐欺犯が装ったのは、作家さんの娘の旦那さん。
「お義父さん、助けてください!
 会社でこれこれこういう失敗して、
 三百万を弁償しなきゃならないんです!」
電話でそう言われて作家さん、
 ――そうか、娘婿は、こんなに僕のことを頼ってくれていたのか!!

作家さん「わかった、力になる! とにかくすぐに戻ってきなさい!」
詐欺犯「いや、一刻も早くお金を用意しなきゃならなくて、
    お金の受け取りは――」
作家さん「大丈夫だから、そんなところにいないで、
     いまは戻ってきなさい!!」

詐欺犯は「戻る」わけにいかないので、そこで電話を切ったそうです。

作家さんは心配でたまらず娘さんに電話をし、そこで詐欺だと判って、
「なんだ、娘婿が僕を頼ってくれたんじゃなかったのか……」
とショボン。

ちなみに作家さんがなぜ「戻ってきなさい」と
おっしゃったかというと、
娘さんご夫婦は作家さんのお隣にお住まいだからだそうです。

詐欺犯はおふたりの電話番号のほか、
なにをどこまで調べていたのでしょうか。
「オレオレ詐欺」は、相手の失敗バージョンだと、
小姑目線で微笑ましいです。

あわいの眼

dsc_2915_.jpg

ネット上から拾わせていただきました。
奈良の鹿愛護会の会員が、着ぐるみを着て募金活動をしています。
http://naradeer.com

この着ぐるみを着たくて、愛護会に入って幾星霜。
残念ながら、まだ一度も着せてもらっていません。

東京にいると、鹿の角や鹿シールなどはいただくのですが、
肝心の働きチームからは遠くなるというか、
こんな職業でこんなブログを書いているから遠ざけられているのだろうか。

奈良旅行をする私のファンや知り合いたちに、
これを被って、募金をたかりたいです。
秘唇のあわいから、こっそり外を見ている鹿さんです。

他人の夢の話ほどつまらないものはないですが

先日、「夢の中で夢を見る」という体験をしました。
夢から覚めたらまた夢だった、というものです。
いまこれを書いているときはたぶん、ちゃんと起きていると思います。

初めての経験だったので思わず夢占いのサイトで調べたら、
見る人はしょっちゅう見ているそうで。

心身ともに疲れているときに見やすいらしく、
いい夢ほど、現実の辛さから逃れたい心理が
現われているのだそうです。

いい夢でした。
うちの犬が入ってはいけない和室に入り、
母が叱って縁側に追い出したら、
ちゃんとそこから庭におりて、おしっこをして戻ってきて、
そんな夢を見たよーと、母にお寿司を食べながら話したら、
それもまた夢だったという。

ブログを書く以外に気晴らしのない締切り週間。
私は犬のおしっことお寿司に飢えているようです。

言葉の怖さ

『甘く薫る桜色のふくらみ』(幻冬舎アウトロー文庫)と、
特選小説4月号の「背中の傷痕」へのご感想を
幾つかいただいています。

どちらもそれぞれ、いままでの雑誌に寄稿した短編、
本として出した長編とは、ちょっと方向が違うのですが、
そのことを鋭く深みのある言葉で指摘された方々もいて、
読者って怖いです。

『甘く薫る桜色のふくらみ』については、
ミュージシャン時代の約20年前からのファンが、
スポニチ連載時には、毎日140円を出してスポニチを買い、
本になったら本も買い、感想も書いて送ってくれて、
とってもありがたくって、こういう人って、
もう死ぬまで私のファンでいるしかないんだろうなと思います。

ちなみにインターネットが一般に普及していない時代には、
「一通のファンレターの後ろには千人がいる」と言われていました。
ラジオの投稿ハガキも音楽番組のリクエストも、
だいたい視聴者の千人にひとりが
ハガキ、ファックス等を送っていたんですね。

いまはネットのおかげで言葉を発信しやすくなったので、
媒体にもよるでしょうけれど、
「一通」は300人にひとりくらいかもしれません。

でも自分の名前を出しての、好きな人への初めてのメールは、
手紙と同じか、それ以上の勇気を要する気がします。
メールのほうが距離が近い気がする分、
自分を曝け出す怯えを持ってしまいそうです。
もしかしたら、自分でも把握していないものを知られるような……
と思うのは、私がメカに弱い旧人類だからでしょうか。

同時に、「知ってもらった」と満足しやすいのも
メールやLINE等かもしれません。
人が誰かを好きになったときに抱くのは、
「あの人のことをもっと知りたい」という感情とともに、
「自分のことをもっと知ってもらいたい」という欲望。

伝えやすければ伝えたいときに伝えて、
そうすれば「伝わった」と思い込んでしまいがちなものでもあって。

ネット社会になって失われたものがあるとすれば、
伝えたい欲望を解決&解消するまでの道のりと、
伝えられない間に、ひとり紡ぐ言葉たちかもしれません。
言葉を発信する怖さを持っている人ほど、
伝わる言葉を紡ぎだすように思います。

これは口紅

月に一回、美容院で見るファッション誌。
きれいなモデルさんのアップを見た瞬間、
「これは口紅の広告だ」「これはマスカラ」
「これはファンデーションの広告」
と、毎回わからせてしまう写真技術に感動。
メイクさん、照明さん、モデルさん、印刷屋さんetc.
もろもろすごい。

伝えたいものを突出させれば美のバランスが崩れる。
見る者にはわからない、わずかな力加減が必要。
小説も同じだなぁ。
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