朝から空が眩しいほどに晴れ、かと思えば1分後に小雨が降る。人間だって明日はどうなるかわからないのに、天気はますます予想のつかない昨今です。うちは父親の実家が漁師なので、天候や、それによる海の変化に生活が左右されます。戦後すぐのあたりには、たまに漁の途中で突如の嵐に襲われ、遭難する親戚もおりました。ある人は泳いで無人島に辿り着き、数週間、得意の魚釣りでタンパク質を摂って、野草を食べておしっこを飲んで...
かと思えば1分後に小雨が降る。
人間だって明日はどうなるかわからないのに、
天気はますます予想のつかない昨今です。
うちは父親の実家が漁師なので、
天候や、それによる海の変化に生活が左右されます。
戦後すぐのあたりには、たまに漁の途中で
突如の嵐に襲われ、遭難する親戚もおりました。
ある人は泳いで無人島に辿り着き、
数週間、得意の魚釣りでタンパク質を摂って、
野草を食べておしっこを飲んで、
流れ着いた木片でイカダをつくり、
星を読んで、潮の流れを計算して、
「今日、このイカダで波に乗れば、一日以内に室戸あたりに着ける!」
と海に出て、その通り、室戸に帰りついたとのことでした。
帰ったら自分の墓が出来ており、
奥さんは弟の嫁さんになっていたそうですが、
本人は元気に漁師を続け、すると2年後に従兄弟が遭難して、
太平洋でオーストラリアの漁船に助けられ、
一ヶ月間、オーストラリア政府に世話になって、
船で送り届けていただいたそうです。
オーストラリア、ありがとうございます。
天候といえば、F1では20年以上前から、
レース中にチームスタッフがレーサーに
「1分45秒後に最終コーナーに雨が降り始めるよ」などと、
秒単位の予報を出しており、観ているとその通りに降りだし、
鬼のような正確さに驚嘆することがよくありましたが、
そこまでの技術をもってしても、まだ生まれていない雲や風たちの
一ヶ月後や半年後を予測することは、ひとりの男が一ヶ月後に、
どこに精子を撒き散らすかわからないのと同じで、
男なら切り捨てれば良いのだけれど、
人間並みに変動するこの時代の天候に、
私たちは翻弄されつつ、対応していかなきゃならないんですね。
何を書いているのか、我ながら迷走していますが、
要はあまりにも原稿が行き詰まったので、
散歩に出かけ、空を見あげていたのでした。
天候が変動する分、空はダイナミックです。
雲の形が刻々と変わり、太陽に光って、
きれいだなぁ、「雲になり〜た〜い」、黛ジュンです。
正しくは「雲にのり〜た〜い」だったかもです。
スマホで空を撮ってみると、


空だけでなく、電柱と電線も美人です。


わーお…美しい。
ひたすら。
不気味でもあって。


太陽が雲に隠れだしました。
これはこれで。

渋い。
たまに計算された電線のたわみが、なんとも言えません。


↓十字路で分かれる電線。
不穏な雲の似合うジュージローくんと名付けました。

ブルースマンのロバート・ジョンソンは、
十字路で悪魔に魂を売って、
演奏テクニックを手に入れたそうです。
バラ売りで良いのなら、今日の私の3時間分だけでも、
ジュージローくんに買ってもらえないでしょうか。
出来れば3日後、「気づいたらぜんぶ書き上げちゃってた!」
とならないでしょうか。
なりません。
スマホを閉じると、あられ混じりのみぞれが降りだし、
30秒ほどでカンカンと晴れ、やがて曇りで落ち着きました。
今は帰宅して、ご飯を食べて、3時間が経っています。
原稿を書かずに、ロバート・ジョンソンを聴いています。
外は曇って風が強いです。