白いミミズ
いまのマンションには12年くらい住んでいて、
駐車場の周りに植え込みがあるんですね。
引っ越してきた当初、4〜5歳くらいの男の子たちが、
大きな木の下でなにかを探していたんです。
「なにを探してるの?」
「白いミミズ!」
一度、一緒に探したことがあって、
その後も彼らと会うと、「見つけた?」「うん、二匹!」
なんて会話を交わしていたのです。
その中のひとりが、いまも同じマンションに住んでいて、
でも最近の彼は、
パンツが見えるくらいズボンをずり下げて、
夜中に外階段の真ん中で大股を開いて座り、
携帯を片手に、ハキハキしない口調で喋っているんです。
それで深夜にゴミを出しに行く私を、
正体不明のおばちゃんみたいに無視するんです。
あと数年したら、
今度はスーツを着た彼を見るのかしら。
それで挨拶くらい、また交わせるのかしら。
それとも、このマンションから出ていくのかしら。
大きくなったね。
駐車場の周りに植え込みがあるんですね。
引っ越してきた当初、4〜5歳くらいの男の子たちが、
大きな木の下でなにかを探していたんです。
「なにを探してるの?」
「白いミミズ!」
一度、一緒に探したことがあって、
その後も彼らと会うと、「見つけた?」「うん、二匹!」
なんて会話を交わしていたのです。
その中のひとりが、いまも同じマンションに住んでいて、
でも最近の彼は、
パンツが見えるくらいズボンをずり下げて、
夜中に外階段の真ん中で大股を開いて座り、
携帯を片手に、ハキハキしない口調で喋っているんです。
それで深夜にゴミを出しに行く私を、
正体不明のおばちゃんみたいに無視するんです。
あと数年したら、
今度はスーツを着た彼を見るのかしら。
それで挨拶くらい、また交わせるのかしら。
それとも、このマンションから出ていくのかしら。
大きくなったね。