電子小説

電子サイト「肌恋」で連載した『天女牡丹』。
韓国で出版された単行本を昨日、頂きました。

タイトルから奥付けまで、全部ハングル。
私には読めませんが、桜サクさんの描いた迫力のある虎の掛軸や、明治時代の雰囲気を醸し出す美しい絵、キワドイ絵も入っています。

「肌恋」では現在、『情火の海〜運命の女の告白』を連載中。
誰にも言えない過去を持つ女と、彼女のせいで兄を亡くした男の物語。

ガラケー版はこちら。
http://m.cmoa.jp/cc/download/comic_show_title.do?titleId=0000081532

スマホとPC、タブレットはこちらです。
http://www.cmoa.jp/title/81532/

今後も幾つかの作品が、アジア、ヨーロッパの数カ国で配信&出版される予定。
いちばん国内で売れている『秘め音』はホームドラマなので、儒教の国ではNGなのが惜しい。


「電子小説は、なぜ女性向けが多いの?」
と、よく訊かれます。

理由は簡単で、紙の出版物は近代、対象がほぼ男性にしか向いていなかったから。
特に性に関する表現物は、男性による男性のためのものばかりだった。

女性が女性の性を語ろうとしても、『性=男性の下半身のため』という商業ベースの中で、男性に寄り添う形で語るしかなかった。

あるいは、物書きであっても実業家であっても、女性に向けたものをつくる限り、『フェミニストという職業』に就く覚悟を持ち、本業を犠牲にするほどの労力を払わなければならなかった。

ネット社会になってようやく、女性の意見が女性に向けて自由に語られるようになったんですね。


不況と言われる出版業界で、おそらく唯一安定して右肩上がりを続けている小説ジャンルが、女性向け官能です。

『性=男性の下半身のため』というのは、長らく女性にとってもそうで、それまでは女性も、自分の性を男性のフィルターを通してしか見られなかった時代がありました。

女性向けの官能小説でも、かつては「恥じらいシーン」や「生挿入&中出し」など、多くの男性の好む要素が多々、描かれていました。

セックスってそういうもの、女ってそういうもの、と、女性自身が思い込むことでなんとか生きてきたんですね。

でもだんだん、「恥じらってみせるのって、正直面倒じゃない?」「ただでさえセックスは女のほうがリスク背負うのに、断りもなく中出しって、死んでいいよ、んな奴」「イクとかよりも、優しくしたい、優しくされたい」「『どこに挿れてほしいの?』と訊かれても、『マンコ』なんだけど、それがなにか?」という女性の本心が表現されるようになり、そうなると読んだ読者が、「あ、これって私の言いたかったことだ」と気づきます。

女性の膣よりもデリケートなのが男性のメンタルだってことはわかっているけど、犠牲を払って気遣ってばかりもいられない。
リスクを心配せず自由に振る舞いたい。
男に男の欲望があるように、女には女の欲望がある。

こんな、性行為や男性への違和感をモヤモヤと抱いていても、人はそう簡単に自分のモヤモヤを言葉にできないし、できたって、それをひとりで主張し、実行することは難しいです。

でも、それを形として出している作品に出会えば、「そっか、これってみんな思ってる当たり前の感情なんだ」と知ることができます。
自分の感情を掬い上げ、持つべき自由を得、主張する自信を持てます。

そして当然、そういう作品が支持されます。
すると、それまでは曖昧な精神論か、どんなに闘っても「フェミってやつ?」と揶揄されてきた女性の心理が、ダウンロード数やお金という、具体的な数字となって現れます。
数字は人を動かし、仕事、企業、社会を動かします。

例えば私の電子小説で売れている連載作品は、一作あたり、5万人以上が読んでくれていて、その一作に対して、ひとりが合計1200〜1500円を払ってくれています。
紙の単行本で5万部売れるなんて、1万部で凄いと言われる現状では滅多にないことです。

電子だからこそ、届けられる人たちがいます。
世界にはまだまだ、日本以上に女性が抑圧されている地域が多いです。
そんなところにも、もっと女性の切実な声を伝えていこうと動く人たちがいて、書く人たちがいます。

性を真面目に考える人にも、嫌いな人にも、性を描くことが好きな人にも、遠ざける人にも、それぞれの理由があります。

考えそのものはどうであってもいい。
その理由を、誰もが恐れず堂々と表明し、行動できる骨組みがつくられるべきです。

それでもって私の作品って、儒教国からはもちろん、キリスト教国からも、独自の規制を持つアメリカからもNG食らいそうな作品が多いです。
日本ってなんだかんだいって、原始的な自由を長く貫いてきた国なのだと感じますし、その自由を見つけてくれる人たちと、目を向けている国が出てきている現状を、嬉しいと思います。
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