ここ数日は

ここ数日は長編を中断し、官能の連載原稿やプロットづくりなど。

プロットの1本は明るいストーリーが求められる媒体向けなのに、浮上する海面を間違え、書いても書いてもどんよりしていく。
2本書いて自分でボツにし、3本目もどんなものかと悩んでいる最中に、沢里裕二さんの「特選小説」の共同執筆原稿が送られてくる。

読みながらひとりで大笑いする。
この方の作品はハチャメチャさが面白い。
ハチャメチャすぎて、あらかじめ決めたはずの時系列とか破綻しているんですけど。

私も数字に弱いので、よく日時の計算を間違えて、後で大変な思いをしながら直すことがあるものの、沢里さんのは最初から感覚的に時空が歪んでいる。
なのにちゃんと一本、太い筋が通っている。
これでどうして最終的に辻褄が合うのか、一度、この方の脳味噌になって世界を味わってみたいもの。
一筋縄でいかない作家さんとご一緒させていただけて、怖いけど楽しいです。


15日はその原稿を提出し、夜は出版社の方々と渋谷オーチャードホールへ。
六本木男声合唱倶楽部のミュージカル『WAIST SAIZE STORY』。
『WEST SIDE STORY』のパロディであるオリジナルミュージカル。
『WEST SIDE STORY』から50年経っても、ジャガー団とウルフ団は喧嘩していて……という内容。
『ウエストサイド』が『ウエストサイズ』になっているところがミソ。

団員は平均年齢62〜63歳のおじさんのみ。
唯一の女優さんはゲスト出演の林真理子さん。
音楽監督は三枝成彰さん、脚本は福島敏朗さん、美術はわたせせいぞうさん。
羽田孜さんや近衞忠煇さん、鳩山友紀夫さんといった方々も自己パロディで出演。

女性役もおじさんたちが演じて踊る。
みんなはしゃいでいる。
おじさんの太ももをこんなに見るのは、おそらく人生で最初で最後。
大笑いしつつ、懸命な歌も踊りも、観ていて胸が熱くなった。
打ち上げにもお邪魔して、笑った後の美味しいビールとワインを堪能。


翌日はまたしつこくプロットを書いて、夜はキム・ギドク監督の『メビウス』を鑑賞。
新宿シネマカリテの上映最終日。ギリギリ間に合った。

夫の浮気に苦しむ妻が、夫の性器を切り落とそうとして阻まれ、その矛先が息子に……
心身ともに痛いシーンの連続。

私の両隣もひとりで来ている女性。
身じろぎせずに黙々と観ている。
前は男性ふたり組。
ときどき「くっ」と肩をこわばらせている。

浮気相手と妻と、二役を演じたイ・ウヌの演技が凄絶。
狂気ではない。淡々と流れる人間の行き着く果て。
観終わった後は茫然とし、でも息がゼイゼイ切れていた。


二日間、人並みに歩き回ったら、今日は少々筋肉痛。
東京はいい天気。
また潜る。
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